Zeke Clough – Simulcrumatik #2

古くはShackletonAppleblimが主宰したSkull Discoのアートワークを担当し、そのダーク&トライバルな音楽性と特異なヴィジュアル・イメージの融合に多くの好事家を魅了させた画家~漫画家Zeke Cloughが超久しぶりに刊行したZineを入手しました。

Zeke Clough – Simulcrumatik #2

何故Zeke Cloughの作品を扱うのか。それは私が好きだから、という元も子もない理由。

一枚目、二枚目と所謂ダブステップとはかけ離れた独特な呪術的ベース・サウンドを制作していたSkull Disco~Shackletonがこの三枚目で確固たる世界観を確立。私も衝撃を受けまくって当時働いていたレコ屋で推しまくりました。で、最初は音への興味からハマっていったのですが音と共にアートワークも進化していて、その「世界観」の一部に興味が沸き、画家を探って一枚のプリントを海外通販することに。

・最初に購入したプリント

この一枚が何故か日本に届かなく、結局UKに返送されて再発送~約一年後に手元に届くという出来事が起き、そこからZekeとの交流がはじまりました。

・再発送時に同封してくれたドローイング

英語まったく出来ないけれどメールのやりとりをしているうちにZekeは日本のホラー漫画や不条理漫画が好きだということがわかり根本敬の画集や日野日出志の傑作「蔵六の奇病」(最初の数ページが綺麗なカラーのやつ)などを送ったのはいい思い出。

・変わった形の板に画かれた初期作品
・小さいキャンバスに画かれた2016年作
・Shackletonのジャケットに直接画かれたリメイク作品

コレクション願望はあるけれど、残念ながら大きい作品を購入できる財力などあるわけなく、、、コツコツと蒐集した作品をたまに眺めて嗜んでおります。緻密な作品も好きだけどラフなスケッチが堪らないんだよな。

何が言いたいかというと、30cm x 30cmのアートワークから広がる新しい世界、これもレコードの大きな魅力ですよね!ということであります。(たとえ崩壊したデザインや適当にフォント並べただけのラベル・デザインであっても)

もし興味をもって頂けたならば、是非Zineを手に取ってみてください!

Sensational ft. Planteaterz – The Pearl

Sensational ft. Planteaterz – The Pearl (NAFF)

Madteo feat Sensational「Special Offer」はナミノハナで一番売れたレコードかもしれない、、、Kohei Matsunaga、DJ Scotch Egg、Kid 606、Cardopusher、OLなどクセある地下エレクトロニック~ダンスな人達から支持されているクルックリン~イルビエント~NY地下ヒップホップの伝説的(Jungle Brothersの第三のメンバーとして実験的過ぎるとの理由で発表されなかった幻のアルバム「Crazy Wisdom Masters」に参加)な奇才ラッパーSensationalを、2022年に推したのは意外なところモントリオール発NAFFクルーのEx-TerrestrialことAdam FeingoldとPrioriことFrancis Latreille。

必読、其の一:SENSATIONAL aka Tortureに関する翻訳①

必読、其の二:SENSATIONAL aka Tortureに関する翻訳②何となくタザルテス

当時、熱心にイルビエントと呼ばれる音楽を聴いていたわけではないけれど、Bill LaswellやOn-U人脈、Kevin Martin、Prince Paulなんかも絡むWordSoundにはドハマりして、その流れで聴いたサブレーベルBlack Hoodzからリリースの↓(特にB1)と1stアルバムに興奮。

その後の作品は一応チェックするくらいだったのですが、時を経てMadteoの1stアルバムに参加しているのを発見してまた興奮。

癒しを多く求められる病みまくった現代に「イル」なサウンドは響くのか?て感じですが、EX-TとPrioriが制作したトラックは「イル」成分は控え気味だけど文字通りの意味で「ドープ」。個人的なベストはLow JackリミックスなのですがJ.Albertリミックスも捨てがたい。というかリミキサーの人選が完璧。

UKテクノ~ベースやミニマル、エクスペリメンタルなど各方面で地味に増えてきているダウンテンポ~レフトフィールドな作品達と呼応しあって盛り上がったら最高なんだけどな。

Central Fire – This Is A Shout Going Out

Central Fire – This Is A Shout Going Out

90年代初頭、DJ HarveyやChoci’s ChewnsのChociが在籍したTonkaサウンドシステム組のWickedクルー(DJ Garth、Markie Mark、Jeno(一番ヤバい人)、Thomas Bullock)がUKからUS西海岸に渡りレイヴを啓蒙(バーニングマンにも影響をあたえてるとか)、地元のDoc MartinやSolar、Ernie Munsonなどと共振しサイケデリック・カルチャーと融合した独自で開かれた野外パーティー~レイヴ・シーンを形成。その渦中(その後?)に生まれた1994西海岸レイヴ~アシッド・ブレイクス・クラシックを最近当店的に絶好調なHQレーベルMint Conditionがリマスター再発してくれました!後に花開く西海岸ハウスやディスコ・ダブ~ニューディスコに関わるDJ Spunの初期作品で、ケミカルの方のDust Brothersぽくもありますが、よりアシッド感強め(シンセのそれじゃなくて)で開放的。ブレイキン系ヒップホップ色強めなのが当時っぽいですね~個人的にはB面のサイケデリック・ハウス??が今ツボでした。ハウスにブレイクビートをMIXで混ぜるのが西海岸ぽいスタイル。ナミノハナを始めるときにDoc MartinやJenoの古いミックステープ(西海岸シーンにはミックステープ文化があって個人ブログにアップしてくれる変人が当時いまして)に収録されていた曲をネタに某cogsを漁っていたのでこの再発は喜びひとしお。1stサマーオブラブと2ndサマーオブラブが奇跡的に繋がった結果のドキュメント????Spiral Tribeが辿った道とはまた一味違うUKレイヴのアナザー・ストーリー。一人興奮しております!

※追記 (7/29)興味持ってくれた方は是非↓を読んでみてください!

The renegade soundsystems of California that shaped West Coast rave culture

グライム温故知新(MIXCD配布終了しました)

2005年から2009年のGRIME(一部周辺)をVINYLからリッピングしてコンパイルしたCD-R(アンミックス/セパレート収録)をnaminohanaの特典(not for sale)にさせて頂く運びとなりました。DubstepとGrimeの明確な違いも分からなかった頃から買い集めたレコードからセレクトしております。

以下雑談 ↓↓↓

様々なジャンルのDJMIXが毎日聴けるコミュニティラジオ代表格のRinse FMも、1994年の設立当初はJungle/UKG/Grime/Dubstepの海賊放送を行うチャンネルとしてスタートしています。

(ファウンダーはDJ GeeneusとDJ Slimzee)

有名なGrime MCであるWileyやSkeptaやJMEも初期はProducer(自分でRapする用?)としてインストトラックも沢山リリースしていました。その頃の音源は今聴いても斬新でカッコいい。というか、今となってはEskiなこの時期のトラックの方が幅広いジャンルに影響を与えていると思います。

2003年のDizzee Rascalの1stの時と同様、2015年のSkepta/Shutdownのヒットにより、またジャンル名が再度一人歩きしている気もしますが、今回収録した00年代特有のサウンドプロダクションは、謎の熱量があり(ある意味ダンスホールレゲエにおけるファンデーション的な) 現行のプロダクションでも使用されている音色やエフェクトも多々混入されております。近年のTrap/DrillやBass Musicの流れとはまた違う、不思議な時期の「Grime」を是非、聴いてみて下さい。

CE$

こちらの特典希望の方は店頭で声をかけて頂くか、通販時備考欄に「特典グライムCD希望」とお書き下さい!

※今回の特典音源を1つに繋げたMixtapeはsoundcloudにupしております ↓↓↓

近況など

日頃よりナミノハナ・レコーズを御贔屓いただきありがとうございます。認知機能の低下により苦戦をしいられた確定申告も終わり漸く一息つくことが出来ました。おかげさまで日々体調は良くなってきており筋力もかなり戻ってきました。だだ肺の状態がまだ悪く調子に乗って動くとすぐに息が切れて頭がふらつきます。それでも退院した頃のことを考えればかなりの快復具合です。

一月の終わりに店を再開してすぐに「まん延防止等重点措置」が始まり出鼻を挫かれ、新型コロナは収束する兆しも無く、円安(ルーブルに対してすら値を下げているとか、、、)は進行、国際便の送料は倍くらい跳ね上がり、エアメールも飛ばず、嘆いていたところに本当に最悪な侵略が起こり、まったく心穏やかにはなれず仕事へのモチベーションも激減。こういう時は無理に動かない方が得策かなと思い仕入れを減らし様子を伺っているのが今の現状で、お客さまにはご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。

しかし今は暗い気持ちに陥っているけど、新規のディストロと連絡を取り合うなど前向きに動いているところもあり、もう少し時を経たら楽しい日々が始まる予感もあります。

↑の画像は本日届いた、サンクラで知り合ってから細々と交流が続いているEqual People Recordsの新作Tシャツで、正直超マイナーなレーベルだけどトレンドとか関係無くこういう小さな繋がりを大切にしていかなきゃいけない。個人的にレーベルTEEはかっこよすぎなやつよりちょいダサのほうが好き。死にたくなるほど送料が高かったですがギリギリ以下の価格設定にしたのでマイナー・レーベルTEE好きは購入してね。

それと4月8日に週一で店を手伝ってくれている三代目バイト aka Element aka ヒロシのレコードが発売されます。Duppy Gun x Bokeh Version x Riddim Changoのトリプル・ネーム(裏原風)でかなり面白ので是非チェックしてみてください。今店で現物を聴いてるけど「Pulse X」オマージュなB面のリディム最高。近場にこういう才能ある人がいるのは希望だし、ほんと私は恵まれているな、と改めて思った次第。

結局宣伝になってしまいましたが、書き始めは暗い心持だったけど最終的にテンションが上がってきたので頭の中を整理して文字に起こすのはありだな。頼りない感じですが今後ともよろしくお願いいたします。

¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uの北京レポート2019

期間も少し長く、色々とややこしい事もあるのでほぼ固有名詞を出さず、簡潔に2週間の北京滞在について書いてみました。

10月中旬、渋谷WWW XでのRyoji Ikeda発案、cyclo.出演のMika Vainio tribute『Infinite』でプレイ。そのまま東京に滞在し、羽田空港から北京へ。

前回行った時は空気がかなり汚かったのですが、2年ぶりの北京はかなりましになっていました。なぜ2週間も滞在する必要が有ったのかというというと、12時間のパフォーマンスを3日連続で行うためのリハーサル期間で、パフォーマンスの全貌は北京に着いてからもなかなか分かりませんでした。

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¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$UのAsia反省ツアー 2019 Summer

 8月9日台湾、10日韓国とアジア2カ国周って来ました。準備に必死だったのと、大阪の天気予報は特に問題無さそうだったのでフライトの事は何も気にしていなかったのですが、8日夕刻、台湾のオーガナイザーHsuからフライトが欠航になったとの連絡が入り、急いでpeachの振替便の空席を確認。朝の8時頃のフライトだったので、もっと早く気付いていればpeachでも振替便が有り、席が取れていたのかも知れませんが、既に満席で取れず。急いで別のフライトを検索すると最初に出てくる値段から詳細に進むと2万円ほど値段が上がり、どの便もそういう感じで、みんな急いでチケットを買っているからなのかと思いながら、その中で1番安くて時間的にもなんとかなりそうなのを取るために必要事項を入力していると、その間にそのチケットは売り切れてしまい、これはしのごの言っていられる場合では無いという事が判明。なんでもいいのでとにかく明日台湾に着ける飛行機をと、焦りながら韓国経由、台湾行き、10日の午前0:30着をブック。DJは1:30からの予定。この片道だけで5万もかかってしまい。。。 でもpeachはワンクリックで返金処理完了。少しはお金が戻って来ました。Jetstarは2回も天候不良ではなく、機体不良で飛ばなかったし、返金手続きも手間のかかるものでした。ダメですね。2度と使いたくない。

 家にテレビは無いし、最近はSNSも疲れるのであまり見ていないのですが、台風が来ていようがいまいがフライトの運行状況くらいは自分でしっかりとチェックしておかないといけないなと、猛省。今回はFinalのHsuが連絡をくれたから良かったものの、当日まで気付いていなかったら台湾に行けていなかったかも知れません。本当に助かりました。

 元々は9日の4:30起き、6時関空着チェックインの予定が18時発のフライトになったので少し時間にも余裕が出来て準備も万端。あとは無事に台湾に着ける事を祈るのみ。韓国までのフライトと台湾までのフライトがコネクトしていないので、韓国に一度入国しないといけませんでした。海外によく行く人にはお馴染みだと思いますが、入国審査の時にパスポートと一緒に渡さないといけないARRIVAL CARDという紙が飛行機の中で配られます。そこにはパスポートナンバーや氏名、職業、滞在目的などと共に渡航先での滞在場所の住所を英語で記入しなくてはいけません。ですので海外に行く時にはホテルなどの住所が飛行機の中でもわかるようにしておくのが良いと思います。国によっては(EU圏は今回のAtonalで行った時も必要無かったです)ARRIVAL CARDが必要無い所も有ったような気がしますが、滞在先の住所はしっかりとメモしておくのが無難です。今回は飛行機の乗り換えだけで、どこにも宿泊しないのでその項目は空欄、滞在目的の欄にその他(TRANSIT)と記入して審査官に渡すと「滞在先が書いてない」と言われ、just transitと言うと「じゃあここにそう書け」と言われましたが、滞在目的にTRANSITと書いているじゃないか、とか言ってもろくな事にはならないので素直に笑顔で対応しましょう。一つ目のフライトは少し遅れましたが、インチョン空港ではもともと3時間で乗り換えの予定なので問題なく次の便に乗る事が出来ました。ここでチケットの高騰の理由が判明。いつも通りエコノミークラスのボーディング列に並んでいると、キャビンアテンダントがチケットの確認に来た時に「これはビジネスクラスですよ」と教えてくれて、別の入り口から先に乗る事が出来ました。みんな急いでチケットを買ってエコノミークラスが売り切れてしまってビジネスクラスしか残っていなかったという事だと思います。ビジネスクラスは席も多少ゆったりしていて、電源もあるし、食事も出るし、お金持ちは良いな〜としみじみ。。。台湾行きの便も出発が少し遅れ、この時間になっても台湾周辺は悪天候が続いているようで強風で機体がかなり揺れ、雷がしょっちゅう光っていました。映画で見たような、別の空港に止むを得ず着陸!みたいな事にならないで下さいと内心とても不安でしたが、なんとか無事に着陸。しかし1時間も遅れて到着したので出口で待っているはずのドライバーがいない。Hsuと連絡を取るも、なかなかドライバーが見付からず、なんどもやり取りをして最終的に車で12番出口まで行くから、との連絡がHsuから来てようやくタクシーに。ドライバーは若い男性で、僕の想像では「全然けーへんやんけ。いつ来るかも分からんのにやってられへんわ」みたいな感じで車の中でゲームでもしてたんだと思います。車内はクレヨンしんちゃんやピカチュー、TOY STORYのキャラクター達や見た事はあるものの名前が分からないキャラクターのぬいぐるみでほぼ埋め尽くされた極度のファンシー空間で、若い彼は頭文字Dのごとく高速道を駆け抜け、30分ほどでFinalに到着。良い仕事をしてくれました。

 到着した時には既に2時を少し過ぎていました。エントランスの男性がブースまでエスコートしてくれて、僕がブースに入った途端にすごい歓声が。台湾はまだ2回目なのに、こんなに待ってくれている人がいるのかと思うととても幸せな気持ちに包まれました。カトリーナとすぐに交代して4時までの予定でしたが5時までやって終了。DJ中は客席から「YABAI YABAI」という日本語が流通しているのか、何度か聴こえて来て不思議な感覚に。それにしてもFinalの出音が凄い。Tzusingが調整しているらしいけど、低音の迫力が半端無い。家で聴いていても分からない所がよく分かるし、やっていてとても楽しいです。前の週にTotal Freedomがプレイしたそうで、HsuとTzusingは2週続けてKINGがFinalでプレイした!と喜んでいました。自分ではKINGと呼ばれるにはまだまだだと思いますが。。。Tzusingと一緒に一蘭でラーメンを食べて、11:30のフライトで韓国に向かうのでホテルはキャンセルし、Hsuの大きな家で少し休憩して空港へ。また12月に呼んでくれるそうです。今度こそ少し台湾でのんびりしたい。次はかき氷には寒い季節かな。

 再びインチョン空港に到着。まだ上空の状態が良くないのか、出発はそれほど遅れていなかったのに、これも1時間以上遅れて16:30頃に到着。空港には韓国のweb magazine、Visla Magazineのライターであり、かなり日本語を流暢に話せるSku君が迎えに来てくれました。早速ホテルに向かい、チェックイン。台湾でほとんど寝る時間が無かったので、フェスはもう始まっていますが自分の体調を優先して寝る事に。22:30頃にソールドアウトフェスのアーティストケア担当のRACH君がホテルに迎えに来てくれて、一緒に夕食。彼も日本語がとても上手でした。みんな努力家なんだろうな〜。僕も英語頑張らないと。ドイツ語も勉強したい。食事は1人用の鍋に豆腐やお肉少しと野菜が多めに入ったあっさり目の白いスープをおかずにご飯を食べる感じでした。キムチも食べ放題。健康的で美味しかったです。

RACH君
夕食

 会場に着くとキララちゃんという地元のアーティストがライブをやっていて、ポップなダンスミュージックで凄く盛り上がっていてとても楽しそうな雰囲気でした。人気者のようです。ここでようやく今回呼んでくれたフェスの主催PARK DAHAMと会えました。朝の設営からずっといるようで、疲れているだろうけれど元気そうで、静かにフェスを見守っていました。パク君にとって今日初めてのビールで乾杯。昨年7月に韓国で行われたプライドパレードのアフターパーティーがシンドシというヴェニューで開催され、そこでDJした時以来の再会。あれからまだ一年しか経っていないのかと思うと最近は凄く濃密な時間を過ごしている感じがします。Kiraraちゃんの後のJNSさんのDJを聴きながら会場を歩き回っていると、フードやドリンク用の容器を配る場所と回収する場所があって、しっかりゴミ対策もしていました。会場は映画『グエムル』にも出てくる漢江沿いの広場で、この会場をソウル市が無料で貸してくれるので凄く助かっているとのこと。ソウルのwebsite magazine、Visla Magazineのインタヴューを出番前に受け、その中の質問には最近テレビで盛んに言われているような韓国と日本の関係の悪化を煽るような報道についての質問も有りました。本当に気分が悪くなるあのような報道、マスコミの姿勢、日本政府の姿勢には強く反対し、僕たち一般市民同士はこうやってお互いの音楽で一緒に楽しみ、仲良くできる事をこのようなフェスティバルがはっきりと証明しています。僕の出番はJNSさんの後、最後のDJで2時から4時まで。DJしながらもっとポップにやった方が良いのか、Logos & Mumdanceとかかけても大丈夫なのか、と模索しながらやっているうちに段々と踊ってくれる人も減って行き、最後はほとんど誰もいない野原に向けてMax Cooper「Hope」Roly Porter Remixを虚空に放ち、しんみりとDJを終えました。正解はもっとポップに、綺麗目の曲やシンプルに踊りやすい曲を繋いで行けばもう少し引っ張れただろうなと思いました。欲を出してFinalでとても盛り上がったDonna Summerの「I Feel Love」とPlastikmanの「spastik」ロングミックスをしてみると全く受けず、急ごしらえのサウンドシステムでややこしい事をやるとあまり冴えないのか、やはり音の環境や、状況に合わせたお客さんの傾向とかをもっとしっかり考えてやらないといけないなと、DJとして大反省。DJ HausとかBoringとかをもっとかければ良かった、さらには韓国への愛を表明するべく、BTSやBIG BANGをたくさんかければ良かった、などなど、後悔の念がリフレイン。良い経験をさせて頂きました。

リサイクルスペース

 ホテルはL7 Hongdaeという所で、ロビーが21階にあるという面白い作りのホテルでした。フライトは20時なので12時にチェックアウトしてパクとランチ。本場のユッケビビンバにチジミ、温かいそうめんを食べてお腹いっぱい。その後マッサージ屋さんに行って40分コースやってもらって、パク君はとても気に入って彼女にもあそこ良いよ的なメールを送ったりしていました。日本では行ったことがありませんでしたが、かなり気持ち良かったです。でも40分で3千円くらいするので、やっぱり代わりにレコード買う方が良いなと、貧乏なDJは思ってしまいます。それからパク君行きつけの日本人夫婦が経営するカフェでコーヒーとバナナケーキを頂き、まったり。お店を始めてもう8年目だそうです。イ・ランちゃんのCDや書籍、マイスティースのCDも置いてありました。肝心のお店の名前を忘れてしまいました。そこにタクシーを呼んでもらって空港へ。お店を出ると表にあるベンチに大阪で知り合ったカヨンちゃんがいてびっくり。連絡してくれてたみたいなのですが、wifiの無い時で気付いていなくて、偶然会えてとても良かった。みんなと再会の約束をして空港へ。色々と勉強になったアジアツアーとなりました。おしまい。

パク君
ユッケビビンバ
チジミ
温かいそうめん
ホテルロビーからの眺め
ソウルソールドアウトフェスポスター

行松陽介

デトロイトとは関係無い方のBEATDOWNの話

こんにちは CE$と申します。 浪の親方に「何か記事書いてよ」とオファー頂きましたので、偏ったハードコアの話を。

BEATDOWN HARDCORE/MOSHに関しては様々な所で語られていると思いますので、 私個人の思い出(思い込み)を書かせて頂きます。


高校生の頃、NEWYORK HARDCORE好きな先輩達が居ました。 その先輩の友人で、NY在住の方から毎月送られてくるデモCDR/VHS/7inchをほぼ毎日見聞きしていました。小さな町の出身の私には非常に刺激的で、定期的にレコードを買い始めたのもこの頃でした。このVHSも毎日観ていた気がします。
https://www.discogs.com/ja/Various-Stronger-Than-Before/release/9675326

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行松陽介のBangkokレポート

4月10日水曜日。関西国際空港から香港を経由してバンコクへ。安さとスケジュールの関係で選んだマカオ航空は、LCCではないので機内食はどちらも出ました。味はまあこんなものかなという感じです。無いよりは良い。CAは少し疲れてるのかなという感じの方や少し投げやりな態度の方も。モニターは各シートには無く、数列ごとに天井から下がっているものだけで、おそらく中国の映画が音無しで映っています。英語字幕も出ていたので少し英語の勉強にはなりました。先日のEUツアーの帰りは同じく香港の航空会社Cathay Pacificで、価格も当然違うのでしょうが、こちらはとても快適でした。

空港へはオーガナイザーのMaiとTangが迎えに来てくれて、ホテルでチェックインを済ませて一緒にディナーへ。MaiとTangは2017年、18年のBerlin Atonalで僕のプレイを見てくれていて、それが今回のブッキングに繋がりました。今回プレイするDe Communeという箱を運営するNewも加わり、4人でディナー。現地のトムヤンクンは辛いだけではなく少し甘みもあって、繊細な深みの有る味でとても美味しかったです。ほとんどの料理がスパイシー。デザートのフルーツは日本では見たこと無いものでした。

before dinner
L to R
New – 僕 – Tang – Mai
本場のトムヤンクン
デザート
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行松陽介の東京、Shenzhen(深セン)レポート

 1月24日木曜日、渋谷クラブクアトロでGEZAN『Silence Will Speak』レコ発ワンマンライブのオープニングDJ。彼らの新作はスティーブ・アルビニが録っているので、DJの主なテーマはアルビニに。BIG BLACK、SHELLAC、NIRVANA『IN UTERO』収録曲やPIXIES「Where Is My Mind?」などをかけました。アルビニ録音というのは当然の事ながらGEZAN『Silence Will Speak』における切り口の一つに過ぎません。ただフロアを温めるという目的とGEZANの新作に関するトピックの一つとしてのアルビニは見事にマッチすると思ったので主なテーマとしました。最近のエレクトリックミュージックでいうとBen Frostがアルビニ録音でアルバムをリリース。一曲目にかけたTim Heckerの新作にもBen Frostは参加していて、この辺りの共振ぶりには、今圧倒的にカッコイイ人はアルビニに頼むんじゃないかという感すらします。他にも内田直之氏がPAをしてくれるという事で大好きなFlying Rhythmsの「Trance Space」、『Body Odd』7″のGHPDサイド、その『Body Odd』のPVを撮っている三宅唱監督の映画『きみの鳥はうたえる』で佐知子がカラオケで歌う「オリビアを聴きながら」を杏里VERSIONで、メンバーのインタビューで言及されていたSons Of Kemetを2曲、あとは『Silence Will Speak』を構成するノイズやエモーショナルなコード感などから連想して大好きなSONIC YOUTHの「Wildflower Soul」、などをプレイしました。

 その後のGEZANのライブでは序盤の「Wasted Youth」でフロアがモッシュ状態になって客席に隙間ができたところでDJブースから客席へ。新曲の轟音の中、マヒト君が「Free refugee right now」と唱えるように静かに連呼していたのが強烈に印象に残っています。「僕らは幸せになっても良いんだよ」という歌詞も大好きだけど、ここだけを抜き出して言葉にしてみたところで何も伝わらない。ファンファーレをコーラスでやるバンドが他にいるだろうか?圧倒的なオリジナリティーと、轟音の中から立ち上るエモーション。バンドってすごいなと涙が滲みました。全感覚祭の時もそうだったけど。作品も素晴らしいけど、ライブにはライブでしか感じられないモノが有るし、言葉で音楽の素晴らしさを伝え切る事は出来ないけれど、ライブが素晴らしいという事は伝える事が出来る。言葉は無力ではない。

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