デトロイトとは関係無い方のBEATDOWNの話

こんにちは CE$と申します。 浪の親方に「何か記事書いてよ」とオファー頂きましたので、偏ったハードコアの話を。

BEATDOWN HARDCORE/MOSHに関しては様々な所で語られていると思いますので、 私個人の思い出(思い込み)を書かせて頂きます。


高校生の頃、NEWYORK HARDCORE好きな先輩達が居ました。 その先輩の友人で、NY在住の方から毎月送られてくるデモCDR/VHS/7inchをほぼ毎日見聞きしていました。小さな町の出身の私には非常に刺激的で、定期的にレコードを買い始めたのもこの頃でした。このVHSも毎日観ていた気がします。
https://www.discogs.com/ja/Various-Stronger-Than-Before/release/9675326

2019年現在、 Youtubeでもその当時から今も大好きなバンド達のライヴ動画をいくつか観る事が出来ます。

Irate – Vendetta

Irate – GONE

Everybody Gets Hurt – Homefront

Everybody Gets Hurt – Goon Squad

Billy Club Sandwich – Suckerpunch

Billy Club Sandwich – NYC 1999

観てください、このモッシュピット。 NO MOSH,NO LIFEを体現するキッズ達の暴れっぷり。 何なら演者サイドも良く観たら滅茶苦茶な事をしています。 (ベースをボーカルに投げつける等)

私が特に熱中したのがQUEENS/BRONX辺りのバンドを中心としたI.D.S crewの映像や音源。 Instant Death Squad というらしく、何て物騒なんだと思いました。 音楽的にもこれまで聴いてきたNYHCとは全く違う楽曲構成/グルーヴに惹かれ、 服装も何だかお洒落だったし、謎の親しみ易さがありました。 ちなみにCastle HeightsというQUEENSの箱がI.D.S系のバンド御用達になっていたようです。 縁あって19歳か20歳くらいの頃にCastle Heightsでライヴをしたのですが、 (※この動画にその時の様子がちょくちょく写っています)

来ているお客さんもバンドの人達も、根っからの極悪人というよりは中産階級のハードコア好き/不良カルチャー好きの様な人が多かった様に思います。 90-00年代は過激なマッチョイズムと共に各地にHARDOCRE CREWが乱立しており、後に色々と発覚する事も多いのですが、HARDCORE GANGに関してはこちらの記事が凄く詳細に書かれています。

https://julyoneone.wordpress.com/2018/12/16/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%

こちらの文中にある「本物のタフガイの集まりになることもなく、あるいはヘイトクライムで街中の人間から軽蔑を買うこともなしに、ほとんどのものが大学進学、あるいは就職とともに卒業していったのである。」 という一節が、この時代の狂躁を表しているような気がします。 そして関西のMOSH PITでも、ハードコアは凄まじい勢いのPIT FIGHTを繰り広げていました。

HARDCORE PRIDE

Hardcore Pride 6 – atmosfear

高校生の私には怖過ぎました。

どうしてここに来てしまったんだと思いながら、 こんな屈強な方達の体当たりや蹴りを受けてしまうと大変危険なので、 ベイサイドジェニーのバーカンの下に潜り込んでライヴを観ていました。 でもライヴは観たい!という事で、帰りの交通費分のお札を靴下に隠し、 怯えながら通っていました。

これらの音楽をほぼダンスミュージックとして聴いていた部分も大きく、BEATDOWN/MOSH PART のBPMはDUBSTEP/GRIMEのBPM70/140に程近買った事もあり、後に私はDUBSTEP/GRIMEにすんなりハマっていったのかもしれません。

という、こじ付けのお話でした(終)

CE$ (she luv it)

できる限り音楽は肯定したい――CE$、ロング・インタヴュー