行松陽介の東京、Shenzhen(深セン)レポート

 1月24日木曜日、渋谷クラブクアトロでGEZAN『Silence Will Speak』レコ発ワンマンライブのオープニングDJ。彼らの新作はスティーブ・アルビニが録っているので、DJの主なテーマはアルビニに。BIG BLACK、SHELLAC、NIRVANA『IN UTERO』収録曲やPIXIES「Where Is My Mind?」などをかけました。アルビニ録音というのは当然の事ながらGEZAN『Silence Will Speak』における切り口の一つに過ぎません。ただフロアを温めるという目的とGEZANの新作に関するトピックの一つとしてのアルビニは見事にマッチすると思ったので主なテーマとしました。最近のエレクトリックミュージックでいうとBen Frostがアルビニ録音でアルバムをリリース。一曲目にかけたTim Heckerの新作にもBen Frostは参加していて、この辺りの共振ぶりには、今圧倒的にカッコイイ人はアルビニに頼むんじゃないかという感すらします。他にも内田直之氏がPAをしてくれるという事で大好きなFlying Rhythmsの「Trance Space」、『Body Odd』7″のGHPDサイド、その『Body Odd』のPVを撮っている三宅唱監督の映画『きみの鳥はうたえる』で佐知子がカラオケで歌う「オリビアを聴きながら」を杏里VERSIONで、メンバーのインタビューで言及されていたSons Of Kemetを2曲、あとは『Silence Will Speak』を構成するノイズやエモーショナルなコード感などから連想して大好きなSONIC YOUTHの「Wildflower Soul」、などをプレイしました。

 その後のGEZANのライブでは序盤の「Wasted Youth」でフロアがモッシュ状態になって客席に隙間ができたところでDJブースから客席へ。新曲の轟音の中、マヒト君が「Free refugee right now」と唱えるように静かに連呼していたのが強烈に印象に残っています。「僕らは幸せになっても良いんだよ」という歌詞も大好きだけど、ここだけを抜き出して言葉にしてみたところで何も伝わらない。ファンファーレをコーラスでやるバンドが他にいるだろうか?圧倒的なオリジナリティーと、轟音の中から立ち上るエモーション。バンドってすごいなと涙が滲みました。全感覚祭の時もそうだったけど。作品も素晴らしいけど、ライブにはライブでしか感じられないモノが有るし、言葉で音楽の素晴らしさを伝え切る事は出来ないけれど、ライブが素晴らしいという事は伝える事が出来る。言葉は無力ではない。

 

 翌日、13:30羽田発の便で上海を経由して深センに21:00到着。タクシーでホテルに向かう道中のビル群の輪郭を縁取るようなネオンが独特でした。

 

 ホテルでシャワーを浴びて、今回僕を呼んでくれたOil Clubを夫婦で運営しているYangyangとHuiyuanと香港料理のお店でディナー。初めて食べるものが多かったけど、全部美味しかった。生の蟹?はTzusingの好物らしくて、スパイシーな味付けで美味しかったです。

生の蟹?
豆腐を揚げたもの
ライスヌードル

 

 ディナーを終えてOilに着くと、メールでやりとりしていた中国とベルリンを行き来しているプロのファッションフォトグラファーIzabellaとGreggが待っていて、フォトシューティングへ。プレイ時間も迫っているので急ぎ足で撮影を行いましたが、40分ほどで二人とも満足げに撮影終了。

L to R Me, Izabella, Gregg, Yangyan

 

 Oilの前は広場のようになっていて、そこに若者たちがたむろしているのですが、僕が歩いて通ろうとすると一緒に写真を撮って欲しいと言われたり、いろいろ声をかけてくれたりしました。中国ではちょっとした有名人らしく、一緒に写真を撮った女の子二人組は写真を見てキャッキャッ言ってたり。時間もあまり無かったのでDJブースに向かうとLucyという、前回僕がOilでプレイした時にはスタッフだったけど、その後でDJを始めた女性がBPM150でプレイしていて、これはちょっと予想外でしたがBurial”Rodent Kode9 remix”で繋ぐとすごい歓声が。予定の2時間をややオーバーしてプレイ終了。終始盛り上がりっぱなしでほとんどお酒を飲む暇も無く、健全にとても楽しみながらプレイできました。前回はOilができて2ヶ月しか経っていなかったので、音響の調整が万全ではありませんでしたが、今回はすごく音が良くなっていて、Mr.Mitchの”The Man Waits”のイントロはこんなに低音が出ていたのか、と少し驚くくらい良く鳴っていました。DJが終わって、Lucyが一緒にB2Bをやろうと言ってくれたけど、明日東京でDJなので次回はもっとゆっくり滞在して一緒にB2Bしましょうと約束して、YangyangとHuiyuanとバーで少しお話し。今回は飛行機代とホテル代だけで10万はかかっているのに、二人は「クラブを続けていく事は本当に大変で、挫けそうになる事もあるけど、今日のDJを聴いてエナジーをたくさんもらった。続けて行こうと思えた。ありがとう」と言って、DJフィーを2倍にしてくれました。彼らの目には涙が滲んでいました。次回はもっとゆっくりして街を案内したり、ビーチに行ったりしようと話しながらバーを出ると若い子たちが「ヨースケ!ヨースケ!」と言いながら僕を囲んで来たので、みんなで一緒に写真を撮りました。幸せな時間。今回は急ぎ足だけれど、次回はみんなともっとゆっくり過ごしたい、そう言ってお別れしました。

 上海ではワンマンで300人以上来てくれたという数字上での感覚でしたが、今回は自分の実感として中国での人気をはっきりと肌で感じる事ができました。後でインスタグラムの投稿やメッセージなどを見ていると香港からもたくさんの人が来てくれていたようで、香港にも来て欲しいと言ってくれたりして、すごく嬉しくて早く行ってみたいです。

L to R Yangyang、僕、Huiyuan

 翌日の13時発のフライトで帰国。中国のシリコンバレーとも言われる深センの空港には話題のHUAWEIが旧正月の飾り物を大々的に出していました。空港のモニターではデカデカとHUAWEIとPORSCHEのコラボレーション機器の宣伝も。PORSCHEはどういう立ち位置なんだろうと不思議に思いました。

空港のドナルドはお前が座ってたら他の人座れないよって感じでした笑

 

 

 上海からのフライトが1時間遅れて、羽田に22時着。急いでバスで渋谷へ。道も混んでいて一つ手前の停留所で降りて歩いてWWWへ。マユちゃんとマリちゃんの新パーティー「KRUE」。テーマはテクノ。マユちゃんはNEW WAVE感のあるテクノで、後でそう言うと「裏テーマがNEW WAVEでした」と。マリちゃんはかなりアグレッシブにぶっ飛ばしてて、終盤のロバートアルマーニの曲が凄かった笑(Shazamしました笑) 初めてDJを聴くShufflemasterこと金森さんは流石の硬派なテクノでしっかりオーディエンスをロック。ループを上手く使ってイコライジングも細かく操作して貫禄のテクノセットでした。最後の曲(僕へのバトン)がダビーでレゲエフィーリングある曲だったのが面白かった笑 そこにSurgeonをMIXしていって、Mike ParkerやSleeparchiveで抑揚を付けながらSurgeon、Regis、Donato Dozzy、Blacknecks、Karennなどを徐々にMIXしていく感じでフロアは終始興奮状態。中国に負けず劣らず東京の夜も熱かった。

翌日の事は僕のインスタグラムとマヒト君のコラムを参照して下さい。

 

2月16日土曜日はWWWβでワンマンやります!RAで前売買うと特性カレンダー(B2)貰えます。皆様よろしくお願いします! https://jp.residentadvisor.net/events/1215573

終わり。

 

行松陽介

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