Sim Hutchins『Vantablank Stare EP』~内破する音楽~

PAN、Hyperdubから自身の作品をリリースするLee Gambleが運営するレーベルUIQ。エレクトロニックダンスミュージックの可能性を拡張するかのような、ユニークな音楽を提示し続けているレーベルです。フックアップするアーティストもUIQからリリースするまではあまり名の知られていない人が多く、N1L、Zuli、Lanark Artefax、Renick Bellなどは以前にも他の名義でのリリースがあったりする人もいますが、Lee Gambleのレーベルからのリリースという事で注目度がまるで違い、内容も素晴らしいものばかりなので、それ以降注目のアーティストとして認知されるようになるという素晴らしいレーベルです。Leeのシーンへの貢献度はかなりのものだと思いますが、本人はどこ吹く風と言った感じかも知れません笑 その飄々とした感じもかっこいい。

Sim Hutchinsの場合は上記のアーティスト達と少し経緯が違います。イギリスEssex出身のAUDIO/VISUALアーティストである彼は、現在Planet Mu/Knivesの運営に携わっているJoe Shakespeareのカセットレーベル(2015年に2作目としてKoenraad Eckerの作品を出して以降リリースが途絶えている)から2015年にデビュー作”Ecology”をリリース。そのEPに3曲プラスしたデジタル音源をがリリース。その後もとの関係は続き、2015年暮れに1stアルバム”I Enjoy To Sweep A Room”、2016にEP”Melanotan II / No Paco Rabanne”をリリース。デビュー作からかなりのクオリティーの楽曲を制作、そしてチープながらもいくつかの楽曲のVIDEOも作成されており、その中では哲学的あるいは社会風刺的な言葉がフューチャーされていたりもします。そういった彼の傾向は楽曲のタイトルにも表れていますし、”Hollywood10″というタイトルもあるくらいですから、映画史への関心の高さも伺わせます。そして1stアルバムに収録されている”Wasp Cell”のVIDEOはFACTmagazineでも紹介され、それなりの注目度を獲得していたと思われますが、その後に続いた2017年のUIQからの”Vantablank Stare EP”のリリースで、僕は初めてその名を知りました。 “Sim Hutchins『Vantablank Stare EP』~内破する音楽~” の続きを読む

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