Sonikku『Diamond Dust』~この一枚を再生するだけで、美しい世界が広がる~

Lobster Thereminの新しい(ambient専門?)サブレーベルからの第3弾としてSonikkuが登場。第1弾はLobsterにしては珍しくRashad Beckerをマスタリングに起用していて気合の程を感じましたが、両面ともにドロドロのドローンロングトラック1曲ずつ(両面ともに23分程度)で、こんなにドロドロの音楽に今の僕(退院後ほぼDJ以外仕事をしていない)は2000円出していていいのかと、とても悩み、naminohanaに行く度に何回も聴き直して(Rashadさんの音が大好きなので)いましたが、雨漏りで壁に陳列されていたレコード(の中の1枚で、いつも目に付く)が全部ダンボールにしまわれて、目に付かなくなってから次第に記憶の底に沈んで行きました。音の内容もそんな感じだったと思います笑。第2弾も興味津々で聴いてみましたが、マスタリングはBeauに代わり(Beauももちろん素晴らしいのですが)、第1弾ほどドロドロではなく、綺麗なメロディーとかが入っていたように思いますが、あまり記憶に残っていません。値段の話で思い出しましたが、一昔前のWhatever We Wantの12″が1800円ぐらいして、あいつらはヤクザだと言っていた頃が懐かしい。今はレコードが全般的に高くなってしまいました。私たちの給料は一向に上がらないのにレコードは高くなって行く。これらは全て政治の問題ですので、みなさんもっと政治に関心を持ちましょう。

最近はLobsterから心が離れてしまっていたのですが、この美しい音楽に僕のハートは鷲掴みにされてしまいました。いつもはタフなハウスビートに乗っているDJ Sonikkuの煌(きら)びやかなメロディーを抽出し、ひたすらうっとりするような、切なかったりエモーショナルだったりする世界がどこまでも広がります。Sonikkuの現時点でのベストワークだと思います。NTSのレジデントだというMOBBSさんの事は全く知りませんでしたが、3曲とも少し短めのOriginal Mixを全て長尺にするだけでなく、Earth Templesの終盤にメロディーパートのロングトーンを抜き出して鳥の鳴き声が良く聴こえるように時間を取り、朝方かけるのにバッチリに仕上げてくれていたり、3曲ともに美しいメロディーが際立つVersionに仕上がっていて、素晴らしいセンスの持ち主である事を窺(うかが)わせてくれます。特にSky Gardenの美しいメロディーがどこまでもExpansionして行くような展開はOriginal Mixでは感じられないもの。

もしあなたがDJであれば好きなビートとMIXする事も出来ます。全曲ともに33回転でBPM100あたり、45回転にすれば140くらい、ー8にすれば126くらいでHOUSEやTECHNOともMIXできますし、どの速さにしてもメロディーの美しさが損なわれる事はありません。こういう事を書いているとふとSex Tags Maniaの14番、TR-909『Bass Drum』の事を久しぶりに思い出し、探してみましたが見つからないので、おそらくは売ってしまったのでしょう。discogsを見ると今はとても高くなっていて面白いですが笑

というわけで、DJのアクセントとしても使えますし、ひたすらこの美しい世界に耽溺(たんでき)する事もできますし、パソコンに取り込んで就寝時のBGMとする事も可能(レコードをかけたまま寝てしまうと針がすり減ったりしてとても落ち込みます)という、とてもUSEFULな一枚です。このレコードをかけるだけであなたの空間にとても美しい世界が広がります。

余談:Diamond Dustというと聖闘士星矢のキグナス氷河(古い)を思い出してしまいますが、Wikipediaを見てみるとそのキャラクター設定のディープさに仰天しました笑 子供の頃はゴールドクロスに憧れたものです。どうでもいい余談でした。

(行松陽介)

Sonikku – Diamond Dust (Lobster Sleep Sequence)

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